utideに大きな転換をもたらせてくれた「自由が丘の家」
2025年初めてのブログはutideに大きな転換をもたらせてくれた「自由が丘の家」についてお話ししたいと思います。
<角田さん(I’m home元編集長)との出会い>
自由が丘の家は、utideが初めてI’m homeに掲載された案件です。当時の編集長角田さんが、オープンハウスにいらして頂いた際に、インテリアは誰がやったの?と建築家に質問いただいた事がきっかけでした。その時の様子は今でもよく覚えています。角田さんが事細かにディテールや納まりについて質問されるのですが、その一つ一つが、こだわった箇所だったので、この人はすごいなーと思ったことを今でもよく覚えています。
一番驚いたのは「これは齊藤さんが提案したの?」とお客様ご希望でデザインを少し変更したリビング収納を指摘されたことです。私が最初に提案した案ではないことも見抜かれ、本当にすごいなと思いました。それまでも雑誌の取材は多く受けていましたが、私がもう少し改善できたなと思う点も「素敵ですね、いいですね」と褒められたり、ここがこだわりのポイントだと思う点は見過ごされたり(もちろん私から、最後伝えるのですけどね・・・笑)することも多かったので、ここまで鋭く本音で指摘される角田さんに私は感動し、以来何か迷うと角田さんに相談していました。年に1・2回ですが一緒に食事をするのが今でも楽しみの一つです。
<杉浦英一さんとの家づくり>
前置きが長くなりましたが、自由が丘の家を作らせていただいたのはもう、17年ほど前になります。ちょうど長男がお腹にいる時でした。お客様がSTORY(女性誌)をご覧になられ、お問い合わせいただいたことがきっかけです。元々イギリス住まいだったお客様は、インテリアはインテリアデザイナーが行うものと思われていらっしゃり、基本設計の途中でutideにインテリアをとご依頼がありました。建築家は大御所の杉浦英一さんだったので、インテリアデザイナーが入ることは嫌がられると思ったのですが、杉浦さんは、「良い家になれば良いので、ぜひ一緒にやりましょう」と、快くご一緒させてくださいました。
そして、最初は内装素材選びや造作家具(キッチン・洗面台・トイレ手洗い)デザインに止めようと思っていたのですが、どうしても気になってしまう箇所がプランで幾つかあり、杉浦さんに恐る恐るご相談したところ、「このプランいいね!変更しよう」とこれまた快諾くださり、そこからはプラン含めインテリアを考えさせて頂けるようになりました。
もちろんまだ私一人のutideでしたので、資料と呼べるような資料ではなかったのですが、設計担当の松浦さんがしっかり現場に伝えてくださったからこそ実現できたなあと今振り返ると思います。よく京橋の事務所に伺い、杉浦さんや松浦さんと打ち合わせした日々が懐かしく思います。そしてお客様も、つたない資料なのに、意図を理解し、私を信じて、進めさせてくださり、本当に感謝しています。
<utideの原点>
自由が丘の家は今のutideの原点だなと思います。クラシカルなものとモダンなデザイン、高価なものと安価なもの、お持ちのものと新たに購入するものがいろいろ混ざっています。今のutideの家はいろいろな要素を「混ぜていて」、もしutideが得意なことは?と聞かれたら「混ぜること」かもしれないなあと思います。全て新しく全部作るよりも、お客様のストーリーがあるものを組み合わせたりすることがutideの得意な家づくりだなあ、その原点が自由が丘の家にあるなあと思います。
そんな中でも思い出に残っているのがIKEAのコンソールです。組み立てをしていたら(その頃は私が一人で組み立てもしていました)、当時高校生だったお嬢さんが帰宅され、一緒にコンソールの脚をノコギリで切ってくれました。そのお嬢さんはもう社会人になられ、先日一人暮らしされるお部屋のお手伝いもさせて頂きました。
<自由が丘のお客様>
自由が丘のお客様とはもう知り合ってから17年が経ちますが、今でもutideを応援してくださっています。先日も事務所に素敵な大きな胡蝶蘭が届き、スタッフみんなでありがたいねー、嬉しいねーと話しておりました。
先代のダックスフンドが亡くなり、しばらく経ってから飼われた豆柴がリビングのタイルで滑るのでと、追加でラグをデザインさせていただきました。
お互い歳をとりましたが、話し方は昔と変わらず、変わらず素敵で、お会いするたびに心がほっこりします。最近では、これまた素敵な幼馴染をご紹介くださり、なんともありがたく感謝しております。
<お客様とのつながり>
家づくりはかなりプライベートなことまで立ち入ってご相談に乗るので、家が完成してからも、長く繋がるお客様が多いです。息子さんが結婚したからマンションリノベをお願いしたい、お父様が亡くなったからお母様のマンションをデザインして欲しい、事業を拡大するから新オフィスのデザインをしてほしい(その方はもう3回もオフィスをつくらせていただいています)、別荘を作るからデザインして欲しい、子供が巣立ったから子供部屋をゲストルームに・・・などなど。
お客様とのつながりこそ、utideが誇れることかなと思います。今年で21年目を迎えますが、この感謝の気持ちを忘れずに、スタッフとみんなで家づくりを続けていけたらと思います。