モールディングやケーシングの使用例について解説します!
モールディングは、凹凸がある細長い建材で、壁の装飾や窓・ドア周りに使用します。
扉や窓の額縁のことは、ケーシングと呼んだりします。
日本でも、天井と壁のコーナーやドア枠周りにモールディングを使ったり、少し凹凸のある巾木を用いて、クラシカルなインテリアに仕上げいてる家はよくみかけますね。
弊社でもモールディングはよく使用しますが、選ぶモールディングの形や大きさ、付け方によって、空間の印象が大きく変わるので、毎回細かくバランスを考えながら組み合わせています。
モールディングの使い方が素敵だなと思ったレストラン・ホテル・カフェがあっても、どの部材を使っているかまではわからないですし、サンプルも小さいので想像するのもなかなか難しですよね。
そこで、今日は弊社で作らせて頂いたお家でどの部材を用いているかなど詳しくご紹介したいと思います。
<階段壁面のモールディングの事例>
昨年完成した横浜の家は、吹き抜けのリビング内に階段があるので、大きな壁が見せ場でした。
イメージはMcgeeの作る家の壁。
四角い面の内側を凹ませるようにしたかったので、幅100mmの板を壁に貼っていただき、内側にみはしの「A110AY」をつけました。
<トイレ壁面>
腰壁に見切りを入れて、上下の仕上げを変えるデザインです。
下は塗装した壁、上はクロスを張っています。
ちょうど境目にくるもの「A175AY/みはし」と、枠の内側に張るもの「A110AY/みはし」と、ニッチの縁に使用したモールディング「H703/コンセプトB(メトリー)」は全て異なります。
<廊下壁面>
廊下のリフォームを行ったのですが、元々白い壁だったシューズクローゼットを、添付のイメージにするご提案をしました。
廊下なので、通路幅が限られているため、上記の事例のように、壁全体をふかして中をくぼませるというデザインは難しかったため、壁の上に貼るタイプのモールディングを使用しました。
また、木の世界にするためにも、実際の木パネルを貼るとスペースが狭くなってしまうので、木材を薄いシートにしたサンフットの上に、同色に塗装したモールディングを貼るという形にしました。
<utideでよく使用する額縁と巾木>
最後に弊社がよく使用するドアや窓の額縁(ケーシング)と巾木があるのでご紹介します。
コンセプトBが代理店となっている輸入建材を使用しています。
ドア・窓の額縁:ケーシングH215/コンセプトB(メトリー)
巾木:ベースボードH618/コンセプトB(メトリー)
室内ドア:内装ドアF782、F1212(ガラリ)/コンセプトB(シンプソン)
巾木は高さが133mmあり、凹凸があるのが上の部分だけというのがポイントです。
ヨーロッパのアパートメントのように、クラシックな空間にモダンな家具を配置するようなインテリアにぴったりです。
価格的はお安くないので、玄関周りやこだわる空間のみに使っても良いと思います。
またモールディングは建具と一緒に使われるとベストです。
建具とセットの枠にモールディングをつけるのですが、88mm幅がああるので、扉が大きく見え、重厚感が出ます。
扉の種類もランマタイプなど色々あります。
弊社ではパントリーなど通気性が欲しいところは上だけランマにするなど使い分けをしています。
これらは全て無塗装で納品されますので、現場で塗装します。
インテリアに合わせた色に仕上げられるのも魅力の一つです。
<モールディングを使用する時の注意点>
弊社でも検討を重ねて、このような事例をつくらせていただいていますが、いつも計画する際に気をつけていることがあるので、最後にご紹介します。
・部分的にクラシック
モールディングを使った箇所だけが、悪目立ちしてしまい空間の中で浮いているようにならないように注意しています。
・なんちゃって⚪︎⚪︎
イギリスのような住まい、ハワイのような住まい、などやりたいイメージは伝わってくるのですが、使っている部材がイメージ通りにできていないケースをよく見かけます。
大きさや形状は、イメージの空間を確認しながらも、実際の部屋の大きさに合っているかなどを計画段階でよく検討します。
・コテコテ圧迫感
ケーシングの大きさが空間の広さに対して大きすぎている場合、コテコテなインテリアに見えてしまうことがあるので、展開図などでバランスを確認することも大切です。
今日はモールディングについてお話ししましたが、気をつけなくてはいけないのは全体のバランスです。
空間の大きさや他インテリアとのバランスも考慮されながら、是非素敵なお家作りにお役立て頂けたら嬉しいです。