照明デザイナーとつくるインテリアを魅せる照明計画
普段は、私たちがインテリアデザインをイメージしながら照明計画を行いますが、ブラケットやペンダントなどを多く使ったり、折り上げやアーチなど天井形状ががポイントとなる住宅や、天井が高いビルやエントランスホールのデザインを行う時には、照明デザイナーへチームにジョイン頂いています。
utideでは、麻布の家で、照明デザイナーの園部さんとご一緒しました。
現在進めているオフィスエントランスのプロジェクトでも、園部さんに照明計画に入っていただく予定です。
【どうやってプロジェクトは進めるの?】
まずは、照明デザイナーにutideから全体のデザインコンセプト、お客様のライフスタイル、ご予算などをお伝えします。
部屋全体をどんな雰囲気にしたいかはもちろんのこと、どんな造作家具があってどこを光らせたいのか、アートなど光らせたいものがどこに配置されているのかなど、かなり詳しく要望を伝え、やりとりします。
照明に関わるスイッチやコンセントの位置も、希望を照明デザイナーにお伝えしています。
アートや家具等デザインのポイントになる箇所にスイッチやコンセントがこないようにしたいからです。
何度かすり合わせを行った上で、お客様にプレゼンを一緒に行います。
プランが確定したら、工事は施工会社(電気屋さん)が行います。
とても良いプランができても、実際に光らせてみた時に、明るすぎる・暗すぎるということもあるので、設置後の調整も照明デザイナーにお願いします。
【照明デザイナーが入るメリット】
一つは、私たちが知らない、新しい照明器具についてもご存知で、提案していただけることです。
例えば、園部さんからご提案いただいたもので、山田照明のΦ50のダウンライトがあるのですが、防湿機能が備わっており、その後の物件でも使用するようになりました。
もう一つは、専門家として、より適切に光を演出することができることです。
こう光らせたいというイメージがあっても、イメージ通りにすることはとても難しいことです。
照明の専門家として、知識や経験が豊富なので、私たち以上に適切にイメージ通りに光らせることができるので、より良い空間になります。
【麻布の家の事例】
麻布の家は、クラシカルな家具と、たくさんのアートコレクションがあったので、どこに配置するかをデザイン当初から計画をしていました。
部屋を明るくすることはもちろんのこと、配置したアートを効果的に光らせることが重要でした。
麻布の家の平面図と照明プランです。
1、リビング照明リビングには、大きなTVを中心とした、壁面収納をデザインしました。
中央にTV、左右にオープン棚と隠し扉というデザインにしています。
オープン棚には、小物や写真立てを置かれる予定でしたので、間接照明を仕込んでいます。
光源が見えないように棚板の後ろを彫り込み照明器具を設置しています。
アートが飾られているところは壁のように見える隠し扉になっています。
アートの上にはピクチャーライトを設置していますが、扉と一緒に開くので、裏の配線に工夫が必要です。
2、リビングとダイニングの間接照明
元々、リビングの天井には、折りあげ天井+間接照明となっていましたが、ダイニング側はフラットな天井でしたので新たに、天井をあげてリビングと同じようにしました。
家具のレイアウトを考えた上で、ダイニングの中心に、リビングはTVの中心にシンメトリーになるように、開口を開け直しています。
3、玄関のダウンライト
玄関の天井はフラットな天井のまま、ダウンライトで雰囲気を作っています。
玄関入って正面にも、アートとお持ちのコンソールを置いていますが、ここにはピクチャーライトは配置していません。
ダウンライトでアートを光らせるために、ユニバーサルライトという角度調整ができるものを採用しています。
壁の位置から何センチ離すかで、アートにしっかり光が当たるかどうかが決まってくるのですが、照明デザイナーのアドバイスにより、とても綺麗にアートが照らされています。
照明によって、空間の印象は大きく異なってきます。
ですので、インテリアにとって、とても重要な要素で、慎重に計画を進めています。
照明のこだわりについては、もっと色々語ることができるので、また別の記事でもご紹介したいと思います。