空間をやさしくつなぐ「アーチ開口」

海外の事例や店舗でよく見かけるアーチ型の開口や建具。弊社の事例ではよく行うデザインの一つです。
フェミニンな印象や柔らかい雰囲気を出すのに一役買うアーチですが、弊社ではどのように考えて採用しているか、また施工の様子についてご紹介します。

 

<アーチデザインのいろいろ>

弊社では、空間のアクセントやデザインのポイントとして、アーチを取り入れることが多いです。よく採用するのは半円アーチと呼ばれる形ですが、アーチといえど、いろんなデザインがあります。

国立の家は、一番シンプルなアーチの開口です。壁が塗装のため、収まりを心配することがなく、アーチをつくることができます。

 

 

緑ヶ丘の家は、玄関を入って正面、リビングへのメインとなる建具をアーチとしました。
ただの開口ではなく、扉をつける必要があり、上部の半円はガラスで納め、下部の扉部分は親子扉で収めた事例です。

 

 

横浜の家では、アーチのゲートのような、厚みのあるアーチのデザインにしました。

厚みの意味は、反対から見た写真をご覧いただくとよくわかると思います。こちらは玄関ホールからリビングに抜ける通路の一部ですが、階段下にあたるのです。そのため、階段の幅分厚みがありゲートのようになっています。

ちなみに、写真をよく見ていただくとゲートの左右に割れ目があるのですが、お気づきになられましたでしょうか。
実は、階段下という特徴を利用して、ゲートの左右の扉を開くと収納スペースが出現します。隠し扉のようで楽しいですよね!

外構の一部にアーチを取り入れることも可能です。横浜の家ではアートをくぐると、黒フレームの両開きの扉があります。
ダイナミックで素敵ですよね。

半円アーチを、建具のフレームのデザインに取り込むというケースもあります。葉山の家は海外の事例を参考にしながら、弊社でデザインしたオリジナル建具です。葉山のアイアン製品を得意とするancre meublesさんに作っていただきました。

 

アーチといえど、開口の大きさや使う場所によっても、いろいろな作り方や納め方があるのがおわかりいただけたでしょうか。

 

<アーチを考える際の注意点>

開口でアーチを用いる場合、天井高とアーチの形のバランスに注意が必要です。上部は半円なので、当然低いところが生まれます。
通行する時に狭く感じない高さを確保しつつ、頂点の箇所と天井にある程度スペースがあることが望ましいです。開口としての幅も必要ですので、全てのバランスを展開図で見ながら、計画していくのがとても重要となります。

<施工の仕方>

アーチの仕上げによっても施工方法は様々ですし、難易度もまちまちです。
施工会社にもちろん相談しながら進めますが、最初のデザインを考えるときに、どんな材質でどう納めるかを考えておくこともポイントの一つです。

例えば、一つ目の事例(国立の家)のように、周囲の壁が塗装で仕上げられていたら、開口をアーチにして塗れば良いのでとてもシンプルです。

しかし、壁がクロスだった場合、少し考える必要があります。クロスを曲線に巻き込むことができないので、どうしても綺麗に納めることができないのです。したがって、二つ目(緑ヶ丘の家)や三つ目の事例(横浜の家)のように枠を回すことで綺麗に納めることが可能です。

横浜の家の事例では、職人さんがみはしのモールディングを時間をかけて曲げてくれました。
ただ、私たちもその当時あまり知識がなく、そのようにお願いしたのですが、最近みはしさんにお聞きしたところ曲線用の商品があったそうです(汗)。

 

どんな現場でもそうですが、職人さんの協力があってこそ、美しいディテールが完成するので、いつも感謝しています。

 

住宅にも取り入れられるケースが多くなったアーチですが、参考になりましたでしょうか。アーチを取り入れた事例が多いためか、どこかにアーチを入れて欲しいとご依頼いただくケースも少なくないです。

じっくり事例写真をご覧いただくと、素材の使い方やディテールのこだわりを見つけていただけると思います。

 

ぜひ参考にしていただければ幸いです。

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