Get the look! -横浜のマンションリノベーション-
プロジェクトで使った素材や家具等をSHARE(=共有)する”Get the look”。
物件を通して検討を重ねて選んできた素材や家具を、一般の皆さんにもSNSやblogで共有し、少しでも家づくりのお役に立てたらと考えております。
今回は、年明けにお引き渡しをした、横浜市青葉区のマンションをご紹介します。
<リノベーションプラン>
リビングの既存のR型天井を活かし、短手の両壁に収納を設けました。
片側はTVが絵のように配置できる壁一面のリビング収納、そしてもう片側は食器等をしまうための腰高収納としました。
また当初はキッチンがダイニング側に箱状に出ていたのですが、空間をシンメトリーに保つようにキッチン壁を撤去し、カウンターを設けました。
当初は玄関から勝手口を通してランドリー → キッチンという動線でしたので、浴室からランドリーに洗濯物を運ぶには、一旦靴を履いて勝手口を通るかダイニング → キッチンから運ぶしかありませんでした。
浴室からスムーズにランドリーにアクセスできるように、勝手口を無くしSIC(シューズインクローゼット)兼パントリーをキッチンと玄関の間に設けました。
<リビングのデザイン>
TV収納は配線が隠れるように、背面のコンセントと下部収納をあらかじめCD管でつないであります。
将来的にDVD等の機器をお使いの場合は収納内部に配置いただけたら、配線がでることなくTVとつなぐことが可能です。
TV収納の周りにはブロンズの金物でまわし、TVの埋め込み部分は類似のダイノックシートで貼っています。
R天井を照らす折り上げ天井はそのまま再利用しつつも、照明器具が古く綺麗に光が届いていなかったので、大光電機の間接照明用器具「まくちゃん」に変更し天井全体が光るようにしました。
また、大好きなBarbara Barryのペンダント照明を2つ中央に配置しています。
シンプルな形状で、マットサテンシルバーの仕上げに一目惚れし、輸入しました。
直径60センチのペンダントの中には、60VのLED電球が3つ入っているので、これだけ広く天井が高いリビングでも十分明るく感じます。
以前はリビングの横に和室があったのですが、隣のお部屋は廊下から直接入る独立した部屋とし、リビング側は壁で塞ぎ、アートを飾る想定でアート照明を配置しました。
<キッチン>
このマンションの魅力の一つがビューなのですが、キッチンにも樹木を楽しめる窓があります。
以前はこの窓に「奥様用デスクコーナー」があったのですが、ここをランドリースペースにしました。
窓下に洗濯・乾燥機が収まるように、ASKOのビルトイン洗濯機・乾燥機を配置しています。
キッチンはオープンではないので、パナソニックのLクラスにしました。
取手レスのタイプはデザイン的にすっきりしているので弊社でもよく使います。
そしてキッチンからリビング・ダイニングの様子が感じられるように、ダイニング側に少しキッチンを出し、出した部分をL字カウンターとし、簡単な食事をとることもでき、手元が隠れるようにしています。
<玄関ホール>
2面彩光の玄関ホールもこのマンションの魅力の一つです。
ガラスブロックからとコートヤードに面した窓から光が入り、コートヤードの緑を楽しむことができます。
以前は玄関正面に腰高の靴箱と勝手口の通路がありましたが、アートを飾る壁にしました。
また既存石に10mmタイルを上貼りし、玄関扉内側はシートを貼り、室内側だけドアノブを交換し、全体のインテリアにマッチするようにしています。
そして廊下は通路幅1300mmもあります。
コンソールを置いても良いですし、もし収納が足りなければ壁一面壁面収納にすることもできます。
現状は広々廊下を活かして、リビング扉右手にMarie Flaniganのブラケットをつけています。
この照明はice breakという名前の通り、氷の塊のような印象です。
形が均一でないからこそ、光方がとても自然で、彫刻アートのようなペンダントです。
リビングの扉も当初は木製扉でしたが、リビング正面の窓からたくさん入ってくる自然光や抜け感を、廊下でも感じられるようブロンズガラスの扉にしました。
<仕上げ・ディテール>
このマンションの全ての壁は量産クロスです。
そうは見えないですよね?
壁のグレージュのクロスは何社からサンプルを取り寄せ、決めたのですが、今後utideの定番の一つになりそうなくらい綺麗です。
そして、今回、壁には木フレームを設けています。
今回のデザインの基本となっているオーク突板に合わせ、本物の突板で壁を縁取っています。
このデザインはPark Hyatt Niseko(ホテルではなくレジデンスの方です)を数年前に訪れた際に、このデザインをいつかしたいと思っていたデザインです。
ちょっと専門的な話になってしまいますが、フレームがあることで、コーナーの見切りが綺麗に納まります。
<大変だったこと>
既存は光沢のあるオークが基本となったお部屋でした。
元々が高級仕様だったので、例えば窓台は無垢の木だったり、折り上げ天井も鉄骨でできていました。
せっかくのオリジナルの仕様を活かしたいという思いの中で、光沢のあるオーク色はどうにか無くしたいと思い、窓台は一度塗装を剥離し、既存の木目が出るように染色をしました。
これが本当に大変で、現場に数回行き、職人さん(塗装屋さんの社長さんが自らやってくださいました)と色合いを確認しながら進めて行きました。
<家具>
家具は横浜の家でも購入したFour Handsより輸入。
横浜より1サイズ小さいカバーリングタイプのソファと、大好評だったChloe Swivel Chair(回転椅子)、そして小さいながら存在感があるマットブラックのサイドテーブルを配置。
今回、ダイニングテーブルとソファーの間に、距離を設けることができたので、コンソールを間に配置し、ゆるやかに空間を仕切っています。
ダイニングテーブルはマットブラックに塗装した木テーブル。
ブラックのオーバルのタイプでここまで長いタイプは日本ではなかなかないですね。
そしてテーブルの脚が内側に入っているのでエンドにも座ることができ、パーティーなどで人数が増えても、テーブルを囲んで食事をすることができます。
ダイニングチェアは中村工芸のもの。
背もたれに金物があるので、ひきやすく、小ぶりで価格も抑えめなのが魅力です。
コンソール、サイドテーブル、ダイニングテーブルを黒にし、空間の中でアクセントとすることを当初から想定し、お部屋全体の色合いはグレージュにそしてペンダントはマットサテンシルバーにまとめました。