新築マンションで理想のインテリアを実現
中古マンションを購入し、リノベーションするメリットが変わりつつあると感じています。
昨今の建設費用の高騰を受け、コストメリットが以前より少なくなってきているだけでなく、自分好みにレイアウト・デザイン変更できる新築マンションが増えている為です。
弊社でも新築マンションのリノベーション依頼が増えてきているので、今回は新築マンションリノベーションについてお話ししたいと思います。
<新築マンションリノベーションとは>
ここでお話しする「新築マンションリノベーション」とは、新築マンションを引き渡し後に壊してリノベーションするのではありません。
理想のレイアウト・インテリアを想定して、引き渡し前に「プラン変更」をデベロッパーに依頼し、引き渡し後にデベロッパーでは出来ない(引き受けてもらえない)、もしくは高額であった「内装工事」を別の施工会社さんに依頼することを言います。
もちろん大前提として「理想のレイアウト」をまずは考えることからスタートです。
「理想のレイアウト」の実現に向けて、「引き渡し前に何を依頼するか」、「どのような状態で引き渡しを受けるか」を整理する必要があります。
以下では、事例を用いて「引き渡し前に行うこと」&「引き渡し後に行うこと」に分けてご説明したいと思います。
<引き渡し前に行う事>
1. 特注仕様でできた造作家具
新築マンションの場合、キッチンや洗面台の仕上げが「そのマンションだけの特注」であることは少なくありません。
ですので、もし造作作家具の変更をされたい場合、仕上げが特注なのかの確認をまずされると良いと思います。
そして、特注の場合は、造作家具の変更はデベロッパーに依頼する必要があります。
*もちろん似た仕様で作ることも可能ですが、隣同士の扉や引き出しなどは少し異なっただけでも違いがわかってしまいます。
以下事例の場合、当初のプランではキッチンが3000mmを切っていたため、キッチンカウンターをダイニング側まで伸ばし、コンロを移動しシンクとコンロの間の調理スペースを広げ、シンクをリビングから見えない位置に移動するお願いをデベロッパーさんに行いました。


2. 水廻りの移動
水廻りの移動=床材を撤去し配管をやり直すため、かなりの大工事となります。
そのため、水廻りの変更をご希望の場合は、デベロッパーさんに引き渡し前に変更をお願いするのがベストです。
以下事例の場合、来客用トイレを撤去し、そのスペースを利用してキッチンの拡張+パントリーの新設をしました。
そのために、配管のやり直しはもちろんのこと、家族用トイレを来客用トイレと兼用できるように、寝室ゾーンを仕切る扉を撤去し、エントランスホールの床材を廊下全体に延長し、来客用トイレがエントランスの一部になるように、仕上げの変更もデベロッパーさんにお願いしました。
*仕上げの変更は後工事でも可能ですが、今回は特注仕様だったためデベロッパーさんに依頼をしました。

3.弱電計画(コンセント、スイッチ)
引き渡し後に、コンセント・スイッチの移動・追加はかなり大変です。
最終形のレイアウトを想定しながら、コンセント・スイッチの移動・追加の希望をデベロッパーに依頼することをお勧めします。
例えば、以下のようなことです。
・収納を後から追加する想定であれば、収納を避けてコンセント・スイッチを配置しておく
・アートを飾る予定の壁にスイッチ・コンセントが計画されていたら移動させる
・造作家具に照明を仕込む場合、造作家具用にコンセントを追加しておく

かなり細かいですが、できる限り完成系を想定しながらコンセント・スイッチの希望をデベロッパーに伝えることはとても大切です。
4. 照明計画
折り上げ天井の形状や、ダウンライトの配置は、販売時のレイアウトに対して計画されているため、引き渡し後に壁面一面に造作家具を設置する場合、それを考慮して天井の計画をし直しておかないと、折り上げ天井やダウンライトの配置がずれてしまします。
そのため、折り上げ天井の形状・照明の位置についても、できる限り最終系の計画を想定した上で、希望をデベロッパーに伝えることが大切です。
同様に回路(どのスイッチを押すと、どの照明がつくか)も生活動線に合っているかを確認し、必要に応じて変更を依頼します。
また、ペンダントライトやブラケットライトなども想定されている場合は、配線を出しておいてもらうことも重要です。
特にペンダントについては重さを事前に伝え、アンカーや下地を入れておいていただく必要があります。

5. 設備計画(床暖房、エアコン)
床暖房やエアコンなどの設備も、このタイミングで依頼することの一つです。
最終のレイアウトに、生活をイメージしながら家具まで配置して、床暖房の範囲・位置、エアコンの位置の希望を伝えることが望ましいです。
以下事例では寝室の一部にWICを設けることとしたため、当初計画されていたエアコンをベッド足下に移動しました。

6. 下地の位置
引き渡し後の工事で、造作家具を壁面に取り付けるためには、壁面に下地を入れる必要があります。
もちろん引き渡し後に下地を入れることは可能ですが、無駄な解体が生じますので、造作家具を取り付けるであろう壁や、アートを取り付けるであろう壁に下地を入れていただくよう、デベロッパーにあらかじめ依頼することをお勧めします。
7. 建具位置
建具位置の変更を希望される場合、床・天井・建具枠に関わるので、引き渡し前に行うのがベストです。
先ほどご紹介した事例2の物件でも、玄関とリビングの間の扉を、プライベートゾーンとリビングを区切る扉として位置変更をし、玄関とリビングの間の扉は、大きなガラス扉に変更しました。

弊社が引き渡し前に検討することを挙げてみましたが、何を引き渡し前にデベロッパーに依頼し、何を引き渡し後に別行者さんに依頼するかは、見積と可能・不可能(デベロッパーで受けてもらえるか否か)を整理した上で判断する必要があります。
デベロッパーさんからの回答は数ヶ月かかるケースが少なくないので、早めに希望を伝え、デベロッパーさんの変更期限内に依頼内容がまとまるように動くことがポイントです。
<引き渡し後に行うこと>
引き渡し後に別業者さんに依頼して行う工事は、デベロッパーさんへの依頼が難しい工事や、後工事で別業者さんに依頼した方が安価な工事です。
◎造作家具工事
デベロッパー側にお願いが可能なこともありますが、デザインや仕様が限られるため、後工事で行います。
【事例1】
リビングの壁面収納は、左側のガラス部分をMolteni&Cに、そして右側の造作家具は別業者さんに依頼しています。
壁面収納は当初から計画をしておりましたので、下地はデベロッパーさん側に入れてきただき、コンセント・スイッチ等も事前に移動いただいておりました。
Molteni&Cの家具はオーダーから8ヶ月かかりますので、引き渡し前に発注しますが、造作家具は2ヶ月ほどで納品が可能ですので、引き渡しと同時にMolteni&Cの家具が入る前提で採寸を行い、ぴったりのサイズで製作をしました。
別の家具屋さんが作る家具を隣合わせで設置することはとても難しく、現地での打ち合わせや調整がとても大変でしたが、プロの技でとても綺麗に納まりました。

【事例2】
家電やストックがリビング・ダイニングから見えてしまうと生活感が出てしまうため、トイレがあった場所を活用してパントリーを設けました。
片側に冷蔵庫と家電を入れる収納、片側に食器棚を配置し、キッチンに対しては壁で仕切るだけのハーフオープンなパントリーとしました。
家電収納・食器棚をキッチンと同じ面材でデベロッパーに見積依頼をしたのですが、かなり高額だったため、ここはキッチンとは壁を隔てた別空間なので、キッチン面材とマッチする単色塗装の面材で後工事で食器棚・家電収納を設けることとしました。
デベロッパーには、後工事で食器棚・家電収納が配置される前提で、下地を入れていただき、配線(コンセント)を希望位置につけていただきました。

新築マンションリノベーションについてお話ししましたが、物件によっては間取りの変更が叶わないケースもあります。
もし間取りの変更はできなくても、コンセント・スイッチの位置、照明の回路、建具の位置は、引き渡し後の変更がとても大変なので、ぜひ一度相談してみていただくと良いと思います。