インテリアデザイナーに依頼するとどんなことができるの?
インテリアデザイン事務所はどんなことをするのかわからず、問い合わせするのに躊躇する、と悩まれたことはありませんか。新規でお問い合わせいただく際に、「どんなお願いができるのですか?」とご質問いただいたり、「こんなことまでやっていただけるのですか?」と喜ばれることがあり、インテリアデザイナーがどんな仕事をするのか、なかなか伝わってないのだなあと感じていました。
そこで、今回は、「インテリアデザイナーにご依頼されるとどんなことができるのか?」ということについて、フェーズ毎にお話したいと思います。
【インテリアデザイン事務所が行うこと】
日本では建築家が建物を計画した後、コーディネーターが家具・内装素材を選ぶという流れ・役割分担が一般的なので、インテリアデザイナーって何?と思われるのも不思議ではないですね。
インテリアデザイナーは、構造・申請に関わること以外は全て行います。つまり、プランニング、照明計画、内装素材選び、家具コーディネート、スタイリングなど、空間の中で目に入ってくる全てを一気通貫で考えます。
弊社の場合、新築では建築家選びから行い、住宅リノベーションでは構造をどうしても動かしたい場合は建築家に相談しながら、プランニングを行っています。日本では少し珍しいかもしれませんが、海外では家づくりを行う時は、建築家よりもインテリアデザイナーさんに相談するケースが少なくないです。
【1】ご希望と現況の把握
まずはヒアリングを行い、お客様のライフスタイルや、今回の新築・リノベーションのゴールを確認します。また、弊社がどんなことを大切に、家づくりをしているかをご説明させて頂きます。(お見合いのような、とっても大切なフェーズです。)
そして、お好みのインテリア空間の写真をピンタレストの共有ボードに随時追加いただき、実現したいインテリアイメージをより具体的に把握しています。
【2】初回提案
ヒアリングの内容に基づき、3週間から1ヶ月ほどで初回提案を行います。
初回提案では、デザインコンセプト、基本平面プラン、デザインイメージ、概算予算、デザイン料をご提示しています。初回提案にはかなりの時間とパワーが集約されるので、弊社では提案料として10万円いただき、ご契約となれば本契約から差し引かせて頂く形をとっております。
【3】基本計画・詳細デザイン
初回提案を気に入って頂けましたら、正式なご契約をさせて頂き、いよいよキックオフ!
お客様の追加希望を伺い、リノベーションの場合は現地採寸を行い、基本プランをお出しします。そして、各部屋ごとに家具配置までを視野に、平面図のみならず、展開図や3Dパース、主要箇所のマテリアルもご覧いただきながら、詳細を検討していきます。
コンセントやスイッチなども、このフェーズで検討します。生活導線・アートや家具の配置を考慮しながら一部屋一部屋ご提案します。弱電図や照明図は少しお客様にはわかりにくいので、細かくご説明・確認をします。
この時期は決めることが多いので、2週間に1度程のペースでお客様とお打ち合わせを行うなど、お会いする頻度が最も多いフェーズです。
【4】デザイン監修
詳細デザインが決まったら、着工です。
着工すると、お客様との打ち合わせは一気に少なくなり、弊社と現場側の確認が増えます。特にリノベーションの場合は、事前検討や既存図面にはなかった梁が出てきたり、配管ルートが違っていたりと、解体後に計画を微修正することは少なくありません。多くの案件では現場定例を定期的に行いますが、日々タイル割など細かなやりとりを職人さんと行ったり、在庫切れになってしまった商品(タイルや照明器具はよくあります)を選び直したりと、現場からの質疑対応・詳細検討を行いながら、工事が進みます。
【5】インテリアコーディネート
工事が進んでいる間に、家具やカーテンなどを決定していきます。基本計画の段階で家具は想定しておりますが、最終的な発注は着工中に行うことが多いです。一つ一つサンプルで確認いただき、全体の雰囲気がわかるようなコラージュを作成しています。また、造作家具につける金物等なども、大きさや位置など細かく確認して発注するのもこの時期です。家具や金物を輸入する場合は、納品まで数ヶ月かかるので、できるだけ早く発注ができるように進めます(イタリア家具などは納期が8ヶ月なので、基本計画の段階で確定・発注することも少なくないです)。
【6】スタイリング・お引渡し
待ちに待ったお引渡しです!
弊社では施工側からお引き渡し後、1週間程度は少なくともお時間をいただき、家具・カーテンを納品し、スタイリングを行います。家具納品は、毎回楽しみでありながら、重労働です。輸入品やスタイリング商材は私たちで箱をあけるので、スタッフ総出で行います。お家の規模にもよりますが、1日では終わらず2−3日かかることが少なくありません。そして、お引き渡し当日は、original aromaを焚き、お客様をお迎えしています。家が暮らしに変わり、お客様をお迎えする幸せなフェーズです。
インテリアデザイナーと家づくりを行うとどうなるのか、インテリアデザイナーってどんな仕事なのか、少しイメージが湧いたでしょうか?