デザインを左右する石選びのポイント ―関ヶ原石材での体験と学び

 

先日、ずっと訪れてみたいと思っていた関ヶ原石材さんに訪問することができました。
ちょうど現在進行している案件で、大理石を加工して、洗面台を造作することに決まったため、お客様と一緒に実際の石を選びに行ってきました。

 

バスルーム、トイレ、キッチン等は、タイル・人工大理石・クオーツストーン・天然石などを、壁・床・天板で用います。
それぞれ特徴(長所・短所)がありますので、メンテナンスとデザインとのバランスで選定しています。
いずれの場合も、柄をどうレイアウトするかによって、デザインが左右されるので、楽しみつつも、細部までこだわるポイントとなっています。

 

<世田谷の家>

この秋着工予定のゲストバスルームのリノベーションにおいては、大胆な柄を楽しむ事をデザインの大きなポイントとしました。思い切って、大判タイルと大理石の両方を混ぜて使うことにしました。

 

 

空間の壁全面ではなく、トイレとシャワー面の壁のみをタイルで貼るデザインなので、柄の連続性はそこまで意識せずに綺麗に仕上がると考えています。
壁で用いる素材としては、以下3種類の大判タイルを提案しました。

 

 

大判で見た時と実際の色味は少し異なるので、実物も用意してご提案し、Marazziのオールマーブル カプライアに決まりました。

 

 

天板ももちろんMarazziのタイルで作れるのですが、タイルで小口をRにしたり、段差を設けることはできず、タイル面と直接接してはいないので、天板とバックガードは大理石をご提案しました。
タイルに比べ弱いので、かけたり・しみたりしますが、来客用トイレですので、思い切って大理石にしましょうとご提案したところ、お客様からご承諾をいただきました。

 

そんな中、家具屋さんから「大理石のどの部分を使いますか?」、「どの石がいいですか?」とご相談がありました。

 

 

このように、大きな大理石の板から使う部分だけをカットするのですが、せっかくならバックガードや前垂れ含め一番綺麗な部分を選びたいと思い、ずっと伺いたいと思っていた関ヶ原石材さんを訪れることにしました。

 

当日はお客様も一緒に岐阜・関ヶ原まで来ていただき、倉庫の中でじっくり選ぶことができました。
まず、実際用いる石の候補2枚を並べていただき、その中から右側の石に絞り込みました。

 

 

どこの部分を使うか、色々悩むこと1時間。

 

 

やっと納得がいく形にまとまりました。
洗面ボールが入るので、くり抜く箇所を避けたところで柄が綺麗に見え、柄がバックガード(左右・正面の3面)に綺麗に繋がるところを色々検討しました。

 

 

やっと決まったところで、選んだ箇所に少し亀裂が入っていることがわかり、もう1枚同じ柄の石を出していただきました。

 

 

ですが、やはり色や柄の入り方が最初の石の方がよく、亀裂を選ぶか、柄・色を選ぶか・・・と悩みました。

 

関ヶ原石材の森さんから「1枚目に近い場所の石で亀裂の少ないものを後日選びます」とご提案いただき、お任せすることに。
石は大きな塊をスライスするため、一番手前と一番奥では柄も色も異なり、今回出していただいた最初の石と2回目の石は、スライスした場所が離れていたものだったため、柄や色が大きく異るそうです。

 

また、洗面台だけでは石がだいぶ余ってしまうので、進行している別の案件でも使わせていただけないかご相談し、余った部分の素材を分けていただくことにしました。

 

<大坂の家>

別の案件というのは、現在工事中の大坂の家のトイレの手洗いです。
正面と右にバックガードがあり、床は市松模様にタイルを貼るため、そこまで柄が派手じゃない方がいいと考え、落ち着いた柄の部分を選びました。

 

 

柄を出したい世田谷の家と、柄はそこまで出したくない大坂の家と全く表情が異なる手洗いになりそうです。
それぞれ制作してくださる造作家具屋さんも異なるため、同じ1枚の石がどのように2つのお家で使われていくか、完成が楽しみです。

 

こんな風に1枚の石から複数の案件で用いたり、異なるテイストの表現ができる事が大きな学びでした。
今回は偶然タイミングが合い、テイストも異なる案件だったのでうまく1枚の石を分ける事ができましたが、これもまた偶然の出会いだなと嬉しく思います。

LET’S
WORK TOGETHER

We’re always delighted to discuss new collaborations.
Let us help you turn your
dreams into reality.